紅葉の美しい樹

〔落葉高木〕

アメリカフウ

タイワンフウ

フウの二重奏の並木

ケヤキ

イチョウ

メタセコイア

ナンキンハゼ

イロハモミジ


アメリカフウ( American sweetgum 美国福 América Fu )

場所を選ばすよく育ち、自然樹形は円錐形で、紅葉は赤紫、赤、橙と複雑な色調で美しいことなどから公園樹として、また、萌芽力がありせん定にもよく耐えることから街路樹によく利用される。

湿潤地を好み、十分なスペースを確保して植栽されたたたものは、高さ40mの大木になります。耐寒性がかなり強く、広島広域公園の気候風土に良く適合し、西側園路沿いやひょうたん広場回り当の並木は大木に成長しています。また、低木植栽地等で種から発芽したものが良く育っています。

 大正から昭和初期に、アメリカ庭園協会から寄贈されて、日本に渡来しました。


別 名 : モミジバフウ(紅葉葉楓)「5~7つに裂ける葉がモミジにており、紅葉のような葉を持つフウということで名付けられた。」

科 名 : フウ科 Altingiaceae 

属 名 : フウ属 Liquidambar 

学   名 :  Liquidambar styraciflua

原産地 : アメリカ合衆国、メキシコ、中央アメリカ

広葉 / 落葉 / 高木


タイワンフウ〔台湾楓〕(Taiwanfuu、台湾福、Taiwán Fu)

円錐形に樹形が整うことから、街路樹公園樹に多く持ちいれれている。

江戸時代の中期(1720年)に中国から日本へ渡来した。

マンサク科* フウ属 【*APGⅢ:フウ科】


別 名 : モミジバフウ(紅葉葉楓)「5~7つに裂ける葉がモミジにており、紅葉のような葉を持つフウということで名付けられた。」

科 名 : フウ科 Altingiaceae 

属 名 : フウ属 Liquidambar (Liquid:液体+ambar: 樹脂)

学 名 :  Liquidambar formosana(formosana: 台湾の)

原産地 : アメリカ合衆国、メキシコ、中央アメリカ

広葉 / 落葉 / 高木


フウの二重奏の並木

フウ仲間は世界に4~5種しかなく、その内タイワンフウとアメリカフウの2種類のフウが日本にあります。

広島広域公園の西側園路には、タイワンフウ(内側2列)とアメリカフウ(水路の外側2列)の4列の並木が、高低差35mで長さ430mにわたり続いており、10月下旬から11月末にかけて、それぞれの場所ごとに、太陽の光の浴び方の差から、緋色から黄色から黄緑の美しいグラデーションの紅葉が観られます。

また、新緑のころは、タイワンフウの紅の新葉が美しいです。



ケヤキ〔欅〕( zelkova 榉 Zelkova )

本州以南のに自生する日本の代表的な広葉樹である。幹が直立し、樹冠は扇を開いたような形で美しく、落葉後の梢(こずえ:樹木の先の部分)も美しいことから、並木修景木として、公園樹街路樹として多く植栽されている。

樹勢が強く、十分なスペースを確保した適地に植えられたものは大木となり、20~25mの高さになる。 。

寿命が長く、大径木となり、材木としては、木目が美しく、磨くと著しい光沢を生じる。堅くて摩耗に強いので、家具・建具等の指物に使われる。日本家屋の建築用材としても古くから多用され、神社仏閣などにも用いられた。

名前の由来は、木目が美しいところから「異(け)やけき木」と呼ばれ、(「けやけし」 = 他のものより目立っている)「けやけきき」→「けやけき」→「けやき」と変化していった。

漢字の「欅」は、人が両手で持ち上げた様子の『挙』で、真っすぐに伸びた樹形をよく表している。


科 名 : ニレ科

属 名:ケヤキ属

学   名 : Zelkova serrata ( Zelkova : ケヤキ属 serrata : 鋸歯のある )

原産・分布 : 本州、四国、九州、朝鮮、台湾、中国. 分布する。丘陵地から山地まで見ることができるが、川岸など、肥沃なところを好む。

広葉 / 落葉 / 高木


イチョウ〔銀杏〕 ( Ginkgo 银杏叶 Ginkgo biloba )

円錐形の樹形で秋の黄葉が美しく、病虫害にも強くいことからいことから、並木やランドマークとなる樹として公園や街路等に植栽されている

葉は扇形で、葉脈は平行脈。葉は半円形であるが、中央部で浅裂する傾向があり、若い木ほど深く分かれる。

排水のよい土壌を好み、大木に成長しすると樹高は20 〜 30mになる。

雌雄異株で、個体の成長が遅く雌雄がわかるようになるまで25年程度かかる。(中国ではこの成熟の遅さから「公孫樹」という漢字を当てる。)

世界最古の樹木の一つであり、イチョウ科の植物は中生代の三畳期からジュラ紀にかけて世界的に繁栄し、イチョウの仲間が化石でたくさん発見されている。(日本でも山口県や北海道で化石が出土している。)しかし、白亜紀中期になると、勢力を増してきた被子植物との競争に敗れたためか、種類が減り始め、現在のイチョウの一種のみとなった。新生代になるとしだいに気温が低下して氷河期に生息範囲を後退させて、比較的気候が温暖な中国南西部で生き残った。 「一科一属一種 」という珍しい歴史を持つ木である。

伝 播:この中国南西部(安徽省宣城市付近)に自生していたものが、11世紀初めに当時の北宋王朝の都があった開封に植栽され、広まったとする説が有力で、その後、仏教寺院などに盛んに植えられ広がった。

日本にも薬種として伝来したと見られるが、日本各地の神社や寺などに植えられ、、大きく成長したものが見られる。

ヨーロッパには1692年、ケンペルが長崎から持ち帰った種子から始まり、オランダのユトレヒトやイギリスのキュー植物園で栽培され、その後、18世紀にはドイツをはじめヨーロッパ各地に植えられるようになった。


科    名  : イチョウ科  ( Ginkgoaceae  )

属  名 : イチョウ属  (  Ginkgo )

学  名:Ginkgo biloba ( Ginkgo : イチョウ属 biloba : 二浅裂の )

針葉 / 落葉 / 高木


メタセコイア(Metasequoia、水杉、Metasequoia)

整った円錐形の樹形で、春の新葉・晩秋の紅葉・冬の落葉時の梢(こずえ:樹木の先の部分)姿四季を通じて美しく、病虫害にも強くいことからいことから、並木ランドマークとして公園等に植栽されている。湿潤地を好み、成長が早いことから大木に成長し、樹高は25〜30 mになる。広島広域公園でも、沢筋の盛土部や法面の下の水分の多い場所に植栽されており、三角錐の梢が公園の風景を引き締めている。

メタセコイアは、化石として日本各地の新生代第三紀層(約2300万年前)に見られ、中生代白亜紀(約1億4500万年前)以降、とくに新生代第三紀の時代にはカナダ北部・シベリア・グリーンランドなど北半球の北極周辺に広く分布していた。

1939年に日本の関西地方で、常緑種のセコイアに似た落葉種の植物遺体(化石の1種)が発見された。発見者の三木茂により、セコイアに「のちの、変わった」という意味の接頭語である「メタ」をつけて「メタセコイア」と命名された。

このメタセコイア属の植物は,当時絶滅したものと推定されていたが、1943年に中国の森林資源調査で、湖北省謀道の祠(ほこら)で神木とされていた未知の樹木を発見され、日本で化石で命名したメタセコイア属と同定し、「生きている化石」として注目された。

中国名は、湿地に生えているので 水杉 という。

中国からアメリカに種子が送られ、1949年(昭和24年)に苗木として日本に渡来し、苗が全国に配布され、更に挿木繁殖で広がった。挿木によって簡単にふえ,生長が速いので現在は世界各地で栽培されている。広島市内では、中区の東千田公園内の並木が有名。


別 名 : あけぼのすぎ(曙杉)

科 名 : スギ科 

属 名 : メタセコイア属 

学 名  :  Metasequoia (meta(後に)に Sequoia(セコイヤスギの属名)ギリシャ語 」

針葉 / 落葉 / 高木


ナンキンハゼ〔南京黄櫨〕(Chinese tallow、中国乌桕、Nankinhase)

乾燥に強く、剪定にもよく耐え、紅葉が美しいことなどから公園樹街路樹などによく植栽される。

紅葉は赤色に紫と黄色が加わったような、あざやかな色である。種皮は黒色であるが、その表面は脂肪に富んだ白色の蝋状物質で覆われる。蒴果が裂開しても、種子は果皮から自然に離脱することはなく、紅葉期から落葉後まで長く樹上に留まり、白い星を散らしたようで非常に目立つ。

中国では古くからロウソクや髪油の原料として、植えられていたが、種から蝋を採る有用樹として江戸時代に長崎を経由して日本に渡来した。

「ハゼと同じように蝋が採取できる中国の木」という意味合いでナンキンハゼと命名されたという説、紅葉が埴輪の色に似ているため、埴輪を作る埴師(はにし)にちなんで命名されたという説がある。


科 名 : トウダイグサ科 

属 名 : ナンキンハゼ属

学 名 : Triadica sebifera

原産地 : 中国・台湾

広葉 / 落葉 / 高木


イロハモミジ〔いろは楓〕(Ilohomomiji、鸡爪槭、Acer palmatum)

川べりや谷合に自生し、樹高は5~10mに生長する。庭園にもっともよく植えられるカエデで、多数の園芸品種がつくりだされている。葉っぱに入った切れ込みを「い・ろ・は・に…」と数えて子供たちが遊んでいたことから、イロハモミジと名付けられた。これは、昔の数字の数え方が「いろは順」だったことに由来する。モミジは、秋に草木が黄色や赤色をもみだす「モミズル」という動詞が名詞化し、転じて、特に美しい色になるカエデ類を「モミジ(紅葉)」というようになった。


科 名 : ムクロジ科 

属 名 : カエデ属 

学 名: Acer palmatum

分 布 : 東北より南の平地から標高 1000m 程度にかけての低山、朝鮮南部、中国東部の温帯から暖帯に分布。

針葉 / 落葉 / 高木


ユリノキ〔  〕( Turpentin、鹅掌楸 、Turpentin)

生長が速く、街路樹・庭木・公園樹として利用される。葉に様々なタイプの斑が入るものや、枝が横に広がらない品種が選抜されている。成長が早く、根は浅根性の樹木である。また、重要な蜜源植物で、良質の蜂蜜が得られる。

葉は薄くて硬く淡緑色平滑で、浅く掌状に2~4裂。Tシャツに見立てられるような特徴的な葉形で、秋の黄葉が見事。

花期は5~6月頃。鐘形で、枝先に直径6cmくらいでチューリップに似た形の、付け根近くにオレンジ色の斑紋のある淡い黄緑色の花を咲かせるが、高く茂った葉の間に咲いていて目立たない。がく片は3枚。雌蕊が円錐形に集合したものの周囲を、多数の雄蕊が取り囲んでいる。

北アメリカ原産で、1億年前の恐竜の時代に出現した、被子植物で最も原始的な樹木の一うである。

日本への渡来は、明治初期に渡来して、国の農業試験所であった新宿御苑に植えられ(日本最古のユリノキ)、この新宿御苑の木から挿し木苗をつくり、街路樹として全国に送りだされた。


科 名 モクレン科 

属 名 ユリノキ属  

学 名 Liriodendron tulipifera

別 名 ハンテンボク/チューリップツリー

    レンゲボク/チューリップノキ

    イエローポプラ

落葉広葉 高木